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2014年1月17日 (金)

サントリーのビッグディールに思う、、、。

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サントリーが約1兆6500億円(サントリーHDの年間売上高に近い金額!)でバーボン「ジム・ビーム」のビーム社を買収する、というニュースを聞いて、最初に感じたのは、「あー、樽の確保だな、、、」でありました(写真上は白州蒸留所のポットスティル)。
 
ま、以下、下司の勘繰りと思っていただければ、、、(笑)。
 
ウイスキーなどのハードリカーは、日本国内では先細り、大資本になってプレゼンスを上げる、ビーム社の既存のブランド力と販路を活用する、などなど理由はいくつもあると思うのですが、これから中国やインドをはじめとして世界中にウイスキーを売っていくために、バーボン樽と北米の森林資源に依存する樽材(ホワイトオーク)を確保するのが、最大の目的だったのではないか、と思ったのでした。
 
 
上記エントリにも書いてありますが、「バーボンには、ケンタッキー州で作ること、木を切って初めて使う樽でなければならない、といったレギュレーションがある」のです(だから、厳密にはジャックダニエルはテネシーウイスキーであってバーボンではないのですが)。ここで1回バーボンを寝かせた樽がスコットランドや日本のウイスキーの樽になるわけです。
 
ウイスキーは、10年単位で先を見たビジネスです。今年、蒸留して樽に詰めたものは、短くて数年後、長ければ20年以上も熟成させてから市場に出てきます。この間の売り上げにつながらない貯蔵コストもさることながら、樽がなければ熟成させることができません。こればっかりは、自然の木材以外で代替することは不可能です。つまり、今後さらにビジネスを広げていくには、樽の確保が不可欠なのです。
 
今回の買収の結果、スピリッツのメーカーとしては、
 
 
上記の2社(サイトを見ると分かりますが、既にこれだけ蒸留酒の系列化が進んでいます)に次ぐ規模になるようですが、例えばディアジオ傘下のシングルモルトウイスキー「グレンモーレンジ」は、北米の山で調達したホワイトオークをジャックダニエルに委託して、ジャックダニエルを1回熟成させた樽をグレンモーレンジの熟成用に使用しており、このルーチンが出来上がっています。
 
サントリーも、例えばシェリー樽の調達のためにスペインのシェリーメーカーにシェリー(シェリー自体は大して売れないと思いますが)を作ってもらっている、なんて話もあるくらいで、独自の樽の調達を工夫しています。とはいえ、やはり安定的に樽を確保するためには、北米の大きなスピリッツメーカーが必要、ということだったのではないかと想像します(写真下は白州蒸留所の貯蔵庫)。
 
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2012年までは、サントリーはジャックダニエルやアーリータイムスを扱っていましたが、2012年にジム・ビームに乗り換えました。それまでジム・ビームはアサヒが取り扱っていたのですが、そっくり入れ替わりました。この総代理店の鞍替えからして、ジャックダニエルの樽はグレンモーレンジに行くので使えないなどとともに、既に伏線だったのではないかと思います。
 
2013年の12月初旬にサントリーの白州蒸留所を見学しましたが、工業製品としてのウイスキーの大量生産という意味では国内最大規模の蒸留所であることを実感しましたし、現在、50万樽以上を熟成中という数字にも驚かされました。それだけに、今回のビッグディールを見て感じたのは、樽の確保だよなぁ、、、だったのでありました。
 
それにしても、ラフロイグ、ボウモア、マッカラン、グレンフィディックなどの名だたるシングルモルトの蒸留所を傘下に収め、さらに今回ジム・ビームを傘下に、ということで、世界のウイスキー業界におけるサントリーのポジションと影響力はとても大きいものがありますね。今回の買収金額については、様々な捉え方があるようですが、樽の確保が長い目での目的であるならば、無駄にはならないのではないか、と思います。
 
 

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